web版夏目漱石デジタル文学館 [お気に入り]
今年、来年と記念の年にあたる夏目漱石。
気になりながらも、とうとう神奈川で開催されていた展示会には出かけることが
できないうちに、会期が終わってしまいました。
ちょっとがっかりしていたら、
県立神奈川近代文学館所蔵の漱石にゆかりの品々を掲載したサイトを見つけましたので、
ご紹介します。
もう見所満載!
手紙コーナーでは「硝子ビュー」と「ほたるビュー」が選べますが、
これが何を意味し、どう違うか、ぜひお試しください。
なかなか風流でありながらも、研究にも役立つコーナーです。
こんな工夫をしているサイトは初めて。
遺品コーナーの、魚の形をした筆置きや青磁の筆洗い、愛用の筆、
愛嬌のある印章などを見てから、手紙を読むと、手紙を書いている姿が目に浮かぶようです。
部屋の様子も再現されていて、絨毯をしいた上に座布団とか、和洋折衷なのも面白い。
漢書や和書は平たく積み重ねられていて、その下の段には洋書が並べられている本棚の様子を見ると、
漢学が当然の教養だった世代だったことも思い起こされます。
高校生の時「将来何になりたいか」と訊かれて「夏目漱石のうちの住み込みの女中」と答えて
学校の先生にも友人にも呆れられましたが、その気持ちは、ちっとも変わりません。
女中はもう体力的にお呼びでないだろうけれども、
せめて彼の漢詩の良さがわかる大人になりたいなあと最近強く思います。