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シェイクスピア「リュートをとれば」 [愛しのリュート達]


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今年は、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの没後400年の記念の年にあたります。

「ヘンリー八世」にリュートのことを詠んだ詩が登場しますので(再度)ご紹介します。

第3幕1場、夫の心変わりを気に病んでいるキャサリン妃が
側にいる侍女に、針仕事の手をとめてリュート伴奏で歌って、と頼むシーン。

そこで侍女が歌うのが、この歌。


 

Orpheus with his lute made trees, 


And the mountain tops that freeze, 


Bow themselves when he did sing:


To his music plants and flowers 


Ever sprung; as sun and showers 


There had made a lasting spring. 


 

Every thing that heard him play, 


Even the billows of the sea, 


Hung their heads, and then lay by. 


In sweet music is such art, 


Killing care and grief of heart 


Fall asleep, or hearing, die.


 

オルフェウスがリュートをとれば 
木々の梢も凍りつく雪山も         
頭をうなだれて聞き惚れぬ。
オルフェウスの調べにつれて
可憐な花も緑の草も
常春のごと萌え出でぬ。


    

オルフェウスの歌声聞けば
高ぶる海の荒波さえも
頭をたれて静まりぬ。
オルフェウスの妙なる曲に
胸の痛みも心の憂さも
眠りにつくごと 消えはてぬ。        


小田島雄志氏(訳)

 

 

 

 

 

不安で落ち着かない心をすっと鎮めてくれる、リュートの音色。
その様子が、自然描写で表現されていますね。
 
シューマンは、この歌詞に曲をつけて、ピアノ伴奏の歌曲を残しているようです。
(うーん、あまりいい動画を探せなかった・・・)
 

Naxos Music LibraryにCDの紹介があるのですが、http://ml.naxos.jp/work/219063

一行目だけを無理に訳したのか、邦訳が「木製のリュートを弾くオルフェウス」(笑)

木製でないリュートがあるんかい! って、思いましたよ。・・・

 

 



チューダーズ <ヘンリー8世 背徳の王冠> DVD-BOX1

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2011/09/01
  • メディア: DVD

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小川未明の詩「月琴」 [愛しのリュート達]


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今年は暖冬と言われていましたが、今日、東京は雪になりました。

このところ、月琴について調べなおしておりましたら、
偶然「月琴」と題された小川未明の詩を見つけました。

大正時代の作品。ちょっと悲しい詩です。

この頃、月琴は、中国伝来の雅な楽器としてもてはやされた時代もとうに過ぎ、
日々の糧を求めて門付けをする人々の楽器となっていました。

蛇の皮とは、ピックガードとして表面板に貼られた部分。
私の月琴にも、ニシキヘビの皮が貼ってあります。



「月琴」小川未明

月琴の盤に張り付けられた
蛇の皮を見詰めていた。
鈍い銀色の鱗の目は波形になつて
いた。
雪が頭にも、肩にも、
帯にも白く溜まった。
月琴の絃の上にも、一片、二片落ちた。

蛇の皮の上にもかかつた。
月琴を袂の下に隠すやうにして、
頭を傾げて物貰いは店の前に立っていた。
身動きすると袂が触れて
時ならぬ湿つた微かな音を絃に放つて、
ぷつりと音は止んだ。
雪は止まずに降つた。



詩集:あの山越えて(大正3年/尚栄堂)より

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リュートカレンダー1月の絵 [愛しのリュート達]


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リュート・カレンダー2016、1月のページに掲載されている絵は、
アルテミジア・ジェンティレスキ Artemisia Lomi Gentileschi(1593-1652)の
「リュートを弾く女性」Woman playing a luteという作品です。

個人所蔵の作品で、制作年は不明。

              ***

細部まで確かな筆致で描かれている人物像から、リュートへと目を転じた途端、
落ち着かない気分になります。

多少、表面板が上向きになっているとはいえ、妙にゴロンとしたボディで、
リュートのフォルムが歪んで見えてしまい、一体これはどうしたことだろう、と。

こんな風にボディの裏のリブが何枚も見えるためには・・・とあれこれと視点を動かしてみる。

すると、床に跪き、モデルの左膝にくっつかんばかりに近づいて見上げた時、
リュートはこんな形に見えるだろう、と思い至ります。

普段、そんな角度からリュートを見る機会はないし、
自分が見る側にしろ、見られる側にしろ、その「距離の近さ」にドキドキしてしまいます。



              ***



作者のアルテミジア・ジェンティレスキは、
歴史的あるいは宗教的なテーマで作品を描いた職業的画家という意味で、
美術史上「最初の女性画家」と言われています。

同じく画家であった父親から才能を見いだされるものの、
当時は女性が美術を学べる場所がなかったため、父親自ら手ほどきをし、
さらに家庭教師としてAgostinoTassi アゴスティーノ・タッシを雇います。
このタッシは、アルテミジアと関係を持つようになり、
それを知った父親は二人を結婚させようとします。
しかし、何とタッシには既に妻がいることがわかり、怒り狂った父親は彼をレイプ罪で訴えます。

その裁判の間に、妻帯者だったというだけでなく、義妹とも内通しており、
二人で 共謀して妻の殺害計画を立てていたことも明らかに。

アルテミジアは、恋人の裏切りに加え、裁判による所謂セカンド・レイプを経験し、
深い心の傷を負うこととなります。
この時、アルテミジア19歳。

この頃描いた作品「ホロフェルネスの首を斬るユーディット」には、
彼女の心情が表現されているというのが定説になっています。

男に対する憎しみと怒りが爆発、鬼気迫るものがあります(恐)。

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父親は、娘の名誉回復のため、フィレンツェの画家と結婚・移住させます。
その後は、画家としてめざましい活躍をみせ、
メディチ家のコジモ2世をはじめ、スペインのフェリペ4世、
イギリスのチャールズ1世などをパトロンに持つという華やかな経歴を持つようになります。

夫は 絵を描くよりギャンブルの方が好きという男で、
経済的には苦労したようですが、アルテミジアは子どもの養育のために精力的に働きます。
そんなアルテミジア母さんの髪振り乱して絵筆を持っている自画像がこちら。

361px-Self-portrait_as_the_Allegory_of_Painting_by_Artemisia_Gentileschi.jpg

1638-1639年頃の作品。45-46歳ごろ。



二人の娘に絵の手ほどきをしたと伝えられていますが、
残念ながらその作品は残っていません。


    ***

最初に挙げた作品の他に、リュートを描いた作品が2つ残されています。

「リュートを弾く聖セシリア」(1616年頃)

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「リュート奏者に扮した自画像」(1615-1617頃)

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彼女がリュートの絵を描いているのは、同じく画家で 楽器の絵を多く残している
父親の影響と言われています。

その父親とは、オラツィオ・ジェンティレスキ Orazio Lomi Gentileschiです。
その作品は、リュート・カレンダーの5月でご紹介します。


リュートの種類について。
最後の一枚は、明らかに6コース・ルネサンスリュートですが、
カレンダー掲載の絵のリュートは 左手の押弦の位置から判断し6コース・ルネサンスリュート、
聖セシリアの絵は ブリッジの穴の数から 7or8コース・ルネサンスリュートの可能性あり、
と考えましたが、ペグボックスが見えづらいこともあって、断言はできません。


【CD】
同時期のローマで出会っている可能性があるカプスベルガーの作品集。
リュート&テオルボは 安定のポール・オデットによる演奏で。(私の愛聴盤です)


気高きドイツ人(ドイツのティオルバ)

気高きドイツ人(ドイツのティオルバ)

  • アーティスト: オデット(ポール),カプスベルガー
  • 出版社/メーカー: キング・インターナショナル
  • 発売日: 1991/06/05
  • メディア: CD







ドンピシャのCDが昨秋、発売されたばかり。ジャケット絵は父親の作品。


What Artemisia Heard‐アルテミシアが聞いたもの

What Artemisia Heard‐アルテミシアが聞いたもの

  • アーティスト: ウッチェリーニ; カプスベルガー; カプスベルガー; フェラーリ; フレスコバルディ;
  • 出版社/メーカー: SonoLuminus
  • 発売日: 2015/11/25
  • メディア: CD




アルテミジアは ガリレオ・ガリレイとも親交があり、その手紙が残されているとのことから、 
ガリレオの弟、ミケラニョーロ・ガリレイの作品を集めたものを。

Michelagnolo Galilei: Intavolatura di liuto

Michelagnolo Galilei: Intavolatura di liuto

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ramee
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: CD


日本語解説つきはこちら。

ミケラニョーロ・ガリレイ、天文学者の弟 ~リュートのための作品集~

ミケラニョーロ・ガリレイ、天文学者の弟 ~リュートのための作品集~

  • アーティスト: ベイルズ(アントニー),ガリレイ
  • 出版社/メーカー: マーキュリー
  • 発売日: 2014/09/30
  • メディア: CD



【映画】
アルテミジア・ジェンティレスキの生涯を映画にしたものがあります。
事件の詳細について興味があるかたはこちらをどうぞ。
17世紀の美術制作の現場や、衣装など見所いっぱい。


アルテミシア【字幕版】 [VHS]

アルテミシア【字幕版】 [VHS]

  • 出版社/メーカー: CICビクター・ビデオ
  • メディア: VHS




【書籍】
女性画家であったこと、事件の裁判記録が残っていることから、
20世紀以降、美術作品よりむしろ、ジェンダー研究の対象として注目されています。
その参考書籍はこちら。


女性画家列伝 (1985年) (岩波新書)

女性画家列伝 (1985年) (岩波新書)

  • 作者: 若桑 みどり
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1985/10/21
  • メディア: 新書




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リュートが登場する絵本「たくさんのお月さま」 [愛しのリュート達]


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リュートが登場する絵本のご紹介です。

以前、朗読音楽会「ロバのおうじ」でご一緒した朗読の方から教えて頂きました。

「たくさんのお月さま」
ジェームズ・サーバー/文 
ルイス・スロボドキン/絵
なかがわ ちひろ/訳
徳間書店/出版

1944年に、アメリカの優れた絵本に与えられるコルデコット賞を受賞。
70年にわたり世代をこえて読みつがれている古典的名作です。

1949年に日本語の翻訳版が出版されましたが、戦後まもない時期だったためか判型も小さく、
まもなく絶版に。
作者の生誕100年にあたる1994年、別の出版社と翻訳者によって
改めて出版されました。


「お月さまが、ほしい」という幼い姫の願いをかなえようと、
王様は 大臣、魔法使い、数学者に相談しますが、いい知恵が浮かぶはずはなく、
困り果ててしまいます。

そこに呼ばれた道化師。
「おまえなんぞに、できることはなかろうが、せめてリュートをひいてくれ。
なにか、悲しい曲をな」と、王様に 軽くあしらわれるのですが、
何とこの難題を解決したのは、このリュートを弾く道化師だったのです。

この、【賢者が難題を相談される】→【道化師がリュートを弾く】→【姫に訊いてみる】→【問題解決】
というパターンが 二回繰り返されます。


3人の賢者の長い口上は、それぞれ皮肉が効いていて、
大人はくすっと笑ってしまいそうになるし、
言葉のリズムが良くて、子どもたちは大喜びしそうです。


DSC00896.JPG


リュートというより、エレキベース?
ボディは丸いけれど、ネックの先が曲がってないのが、うーん、惜しい。
そして、足が痺れそうなフォームですね。

1944年、まだネット検索も出来ない、本物のリュートを見る機会もなかったであろう時代、
それでも「王様、お姫様」が登場するお話には、リュートを登場させたかった、という
気持ちは伝わってきます。


シンプルなストーリーなのですが、
いつしか大人は この3人の賢者のように、知識や思い込みにがんじがらめになって、
物事を 必要以上に難しく考えすぎている、ということに気づかされます。

どうしたらよいのだろう、と考えあぐねる時は、リュートで悲しい曲を弾いてみることにしましょう。


(厚生省中央児童福祉審議会 平成6年度推薦文化財)


たくさんのお月さま

たくさんのお月さま

  • 作者: ジェームズ・サーバー
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: ハードカバー



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完売しました!リュート卓上カレンダー2016 [愛しのリュート達]


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「リュート卓上カレンダー 2016」は、完売いたしました!

購入して下さった方、広報にご協力下さった方、どうもありがとうございました。


カレンダーという賞味期限(?)がある品物ゆえ、
売れ残ったらどうしよう・・・という不安もありましたが、
これで、平安な気持ちで クリスマスと新年を迎えることができそうです。


これをきっかけに、知らない方とも(ネット上ではありますが)お知り合いになれましたし、
しばらく音信不通になっていた知人とも 久しぶりにメールを交わしたり・・・、
そんなことがとても嬉しく感じられました。

もう20年近くも活動を応援して下さっている方々は、
いつものように相変わらず、ご親切にして下さって、それも心に沁みました。

ともかく、皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとう!!!



 〜 新しいカレンダーとともに迎える新年が、佳き年となりますように。〜



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カレンダーのカバーガール [愛しのリュート達]

「リュート卓上カレンダー2016」も、順調に全国各地へと配達されてゆき、
残り若干数となりました。

これから月が変わるごとに、カレンダーの絵を一枚づつ、
ご紹介していこうと思います。

1月の絵は 1月初めに・・・と考えると、
表紙は 12月初めに、ではありませんか!(慌)

数日出遅れましたが、気を取り直して、さっそく観ていきましょう・・・。

452px-Bartolomeo_Veneto_Woman_playing_a_lute.jpg

私が 表紙に選んだ一枚は、
Bartolomeo Veneto(active 1502-1531)のWoman playing a lute 
バルトロメオ・ヴェネト作の「リュートを弾く女」です。

生没年などについては諸説ありますが、
生年不明、活動期は1502年〜から没年1531年まで、としておきます。
イタリアのヴェネチア、ヴェネト州出身であったことから、バルトロメオ・ヴェネトと呼ばれています。


この絵は、1520年の作で、ミラノのブレラ美術館が所有しているもの。

同じタイトルの、1512年作の絵をアメリカ・ボストンのイザベラ・ステュワート・ガードナー美術館
所有しているらしいのですが、その画像を探すことは出来ませんでした。
機会があったら、二枚を比べてみたいですね。

バルトロメオ・ヴェネトは、フェラーラ、パドヴァ、ミラノと活躍の場を移していきます。
まさにルネサンス音楽が花開いていた時期ですが、
1505年ごろ、フェラーラのエステ家の宮廷画家だったことは気に留めておいてもいいかもしれません。
エステ家のアルフォンソ1世は 器楽曲を好み、その宮廷ではリュートが盛んだったと言われています。


次に リュートに注目してみましょう。

Bartolomeo_Veneto_Woman_playing_a_lute.jpg

絵の中にリュートがあると、すぐに弦の数を数えてしまうわけですが、
これは、6コース(5複弦+1本=11本)。
16世紀前期の典型的なルネサンス・リュートです。

右手は 親指が内側に入った、フィゲタを弾くのに理想的な形。
左手は、親指が表に出ており 棹を握りしめているスタイルで、
一見すると悪いフォームのように思えますが、6コースリュートはこれで正しいとされています。

棹が太く、その断面が半月状のゴロンとした形で、このような棹を、
通称「かまぼこ」と呼んでいます。

まあ、こんな細部を見るのは、リュート弾きだけです。
再び、絵の全体を見てみると。

この絵の魅力は何と言っても、
この女性の 首を傾げるポーズ、上目遣いでじーっと見つめる瞳、
その黒目が端に寄って、白目の部分にキラリと光が入っているところでしょう。

では、この作家の他の作品はどんな感じなのでしょう。
こちらのリンクをご覧下さい。

ほとんどすべてが、同じ構図です(笑)。
アトリエの採光の都合なのか、お得意のポーズだったようです。

そんな中で、この「リュートを弾く女」が、この作家の代表作とされているわけですから、
リュートは 小道具として大いに力を発揮していると言えましょう。
(え!その差なの?)

IMG_3170.jpg

この絵は ダイアナ・ポールトン女史が校訂したダウランド・リュート全集の
表紙を飾ったことで、広く知られるようになりました。

The Collected Lute Music of John Dowland
transcribed and edited by Diana Poulton  and Basil Lam

Faber Music Limited London

リュートを始めたら、まず買いますよね、この楽譜。
「いつかはダウランドを弾くんだ!」と決意しながら。

IMG_3171.jpg

今、手元にあるこの楽譜を開いてみたら、ヤコブ・リンドベルイさんのサインがありました。
1987-8年頃の来日の際に頂いたもの。



考えてみると、6コースリュートが描かれている絵なのに、
何故、8コースリュート中心のダウランド全集の表紙だったのか。

そんなマニアしか気にしない細かいことはいいのよ、
とにかく、この綺麗なお姉さんの目力で誘惑して、
楽譜を手に取らせ、7500円(当時)の出費を決断させるのよ、という
出版社の作戦が 今となってはよくわかります。

もう、リュート卓上カレンダーのカバーガールとしては、
このお姉さんに敵うものはないんじゃないか! 
そう思って、表紙の一枚に選びました(笑)。


リュート卓上カレンダー2016の詳細情報とご注文は
こちらから どうぞ。




☆おまけ☆

男性の肖像画が少しコミカル。
443px-Veneto_0006.jpg

寄り目がちな視線の先には 一体何が?

Veneto_0030.jpg

爽やかな青年ですね〜。どこかメルヘンチック。

☆Bartolomeo Venetoについての詳細情報 wikipedia




☆6コース・ルネサンスリュートの音楽を聴きたい方への私のおすすめCDはこちら☆

フランチェスコ・ダ・ミラノ ''Il divino'' ~ 作品集 (Francesco da Milano ''Il divino'' / Paul O'Dette (lute)) [輸入盤]

フランチェスコ・ダ・ミラノ ''Il divino'' ~ 作品集 (Francesco da Milano ''Il divino'' / Paul O'Dette (lute)) [輸入盤]

  • アーティスト: フランチェスコ・ダ・ミラノ,ポール・オデット (リュート)
  • 出版社/メーカー: harmonia mundi France
  • 発売日: 2013/04/30
  • メディア: CD





(名盤。私はこのCDを聴いてリュートを始めました。ジャケット写真がテオルボなのが惜しまれる。)



イタリア・ルネサンスの世俗音楽~私の可愛い娘羊飼い(ジャック・アルカデルト)/他

イタリア・ルネサンスの世俗音楽~私の可愛い娘羊飼い(ジャック・アルカデルト)/他

  • アーティスト: アッツァイオロ,アルカデルト,ヴィラールト,シャーリー・ラムジー
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1995/01/01
  • メディア: CD





(とにかく、かっこいい! 弾き歌いもあり)



ミラノ:リュート作品集 ファンタジアとリチェルカーレ

ミラノ:リュート作品集 ファンタジアとリチェルカーレ

  • アーティスト: ダ・ミラノ,クリストファー・ウィルソン,シャーリー・ラムジー
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1994/04/01
  • メディア: CD

ヴェネツィアのリュート曲集

ヴェネツィアのリュート曲集

  • アーティスト: ダルツァ,スピナッチーノ,ボッシネンシス,カピローラ,シャーリー・ラムジー
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2000/03/01
  • メディア: CD





(安定のクリス。リュート二重奏も)



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続・Only Lovers Left Alive [愛しのリュート達]

この記事は、前日の記事の続きです。前の記事

先にあげた、裸でリュートを抱えていた男性が 主人公のロックミュージシャンで吸血鬼。
そして、その永遠の恋人役で これまた吸血鬼が、こちらの女性。

IMG_2695.jpg

この映画の時に50代のはずですが、とてもそうは見えない美しさ。
出演作をみると魔女や天使役が多いので、人間ばなれした役が得意な俳優さんなのかもしれません。


さてこの映画、リュートに関する監修とか、音楽演奏とか、誰が担当しているの?と
調べてみましたら、Jozef Van Wissemさんという 
オランダ人のリュート奏者・現代作曲家の方。

ニューヨークで、リュートをPat O'Brienに師事。
この映画で、カンヌ映画祭サウンドトラック賞を受賞しています。

Jozef Van Wissemさんのサイト

超クール、スタイリッシュなサイトですね。

映画の監督、Jim Jarmuschと 2012年に共演し、アルバムを2枚リリースしています。
その関係から、この映画にも参加することになったのでしょう。

二人がコラボした動画がこちら。




映画監督が映像を作っているだけあって、幻想的で美しく、
リュートを弾くJozefの姿も登場しますが、
深淵すぎて、私の理解を超えております。



映画で登場するリュートは誰の製作か、とエンドロールを見ましたら、
Michael Schreinerさんという名前がありました。

公式サイトは見つけられなかったのですが、
ブログを発見。


このブログの説明の文章が興味深い。

・・・このブログは、リュートと歴史的ギター製作についてのブログです。
「どのように how to」だけでなく、「なぜ why」のブログでもあります。
私はいつも リュートやギターを製作するのと同じくらい、
それらについて考えることを 楽しんでいます。・・・


こちらのブログでは、リュートやギターの制作過程の写真やデータなどを見ることができます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さてさて、映画「Only Lovers Left Alive」は、
年齢、数百歳の吸血鬼たちが この21世紀の現代社会でどのように生きているのか、という
とても長い時間軸が設定されているのですが、
それと同時に 舞台は ヨーロッパ、アメリカ、モロッコと 地球上の広い範囲にわたっており、
縦、横、共にスケールの大きな物語となっています。


そのスケールの大きさは、台詞、小道具、衣装、インテリアの細部の作り込みと対照的でもあり、
ただの吸血鬼映画に終わらない魅力となっています。

映画の終盤、特別な意味が込められた美しいウードが登場します。
そのシーンを見ただけで、リュートを知る人々は、映画全体を了解するでしょう。

リュートについても ウードについても、それらの関係についても、
何も説明はなされませんが、「知る人は 読み取る」メッセージ。

ここにきて、そもそもこの映画のプロットは、
リュートの歴史に沿って決められているのでは?とさえ、思えてきます。

そして「知る人は 読み取る」メッセージは、音楽だけでなく、
文学や歴史や文化についても 同様に 随所に仕込まれているはずで、
それを読み取れるか?と 観客の教養を問うているわけです。



だだのヴァンパイア・ラブストーリーの娯楽映画かと思ったら、
自分の教養のなさをひしひしと自覚させられるという、
別の意味で 恐ろしい映画でありました。




商品詳細は、こちらをどうぞ。


オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ [DVD]

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



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裸でリュート【映画】Only Lovers Left Alive [愛しのリュート達]


Only Lovers Left Alive.top.png

上半身はだかでリュート抱えてて、ちょっと冷たそうです。
10コース・ルネサンスリュートでしょうか。

このシーン、映画「Only Lovers Left Alive」(2014)の冒頭部分です。
友人がDVDを貸してくれました。

IMG_2696.jpg

主人公は、ギターをはじめ撥弦楽器なら何でも演奏するロックミュージシャンで、
何百年も生き続けている吸血鬼、という設定。

ヴァンパイア・ラブストーリーというジャンルらしいのですが、
細部に歴史的、文学的、音楽的蘊蓄がさりげなくちりばめられていて、
そのあたりが好きな方には、物語の大筋とはまた別のところで 
楽しめる作品となっています。


Only Lovers Left Alive の予告動画は こちら ↓ 
冒頭にリュートが出てきます。






日本語版の予告動画はこちら。映画の概要がわかります。



全体にアンティーク、ゴシックなテイストの中に、
いきなり i-Phoneが登場するところが、ツボでした。 


監督やキャストについては、こちらのサイトをご参照下さい。


そして、リュートは ただの小道具で 姿だけかと思いきや、
全編を通して ふんだんにリュートサウンドが流れるのですよ!

作中で一度、sick, sick〜のメロディーが流れますが、
それ以外は、いわゆる古楽の作品ではありません。


サウンドトラックの動画はこちら。


英語版のPVの冒頭で流れている曲は 24:17〜あたりから。
日本語版のPVで流れているテーマ曲は 41:26〜 あたり。
リュートデュオ(重ね撮りだと思うけど)の曲は 32:22〜 心地よいサウンドです。

(この話題、次の記事に続きます)


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リュート卓上カレンダー販売中! [愛しのリュート達]


《リュート卓上カレンダー2016》 を販売中です。

 

ルネサンス~バロック時代の絵画には、

リュートを弾く人々の姿が数多く描かれています。


その中から、リュートの形が美しく描かれているもの、

楽器を奏でる喜びが伝わってくるもの、

絵画作品として有名なものなど、13枚(12ヶ月+表紙)を厳選し、

2016年の卓上カレンダーを作ってみました。


オフィスのPCの横、ご家庭のリビングや玄関など、

置く場所やインテリアを選ばないシンプルなデザインとなっています。

クリスマスやお歳暮の贈り物としても最適です。

数量限定品につき、ご注文はどうぞお早めに。



サイズ  183mm (幅) X 160mm(高さ) X 70mm(奥行き) 重さ75g


size.jpg

 

仕様   13枚 両面印刷 

     台紙部分は光沢紙、カレンダー部分は書き込みやすいマット紙

     メインの絵画の下部に横一列のカレンダー、

     反対側は 予定やメモを書き込める月間カレンダーになっています。

     巻末に年間カレンダー、掲載絵画の作者名/生没年/作品名の情報を掲載。


綴じ部分のリングも含め、本体、付属品の封筒もすべて紙製のエコ仕様。

使用後は紙として、分別せず廃棄が可能。

金具を使用していないため、小さなお子さんのいらっしゃるご家庭でも安全にお使い頂けます。



メイン面

DSC00883 のコピー.JPG

 

裏メモ面

メモ側500px.jpg

   

 

販売価格 1500円(税&送料込)クリックポスト便にて全国に郵送します。

 

 

◎ご注文/詳細情報/お問い合わせは 以下の私のストアサイトよりどうぞ。


《リュートのある暮らし》

クレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込に対応しています。



どうぞ宜しくお願いいたします。

 


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【本の紹介】世界の音楽大図鑑 [愛しのリュート達]


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これ、生協(パルシステム)のカタログの切れ端です。

ヴァイオリンの写真が気になったので、マジックでチェックして、
指で引きちぎって、冷蔵庫にはっておいたもの。

「世界の音楽大図鑑」

[本書の内容]は、
・先史時代から古代
・中世の音楽
・ルネサンスと宗教改革
・バロックの精神  ほか    

バロック以降を すべて“ほか”とまとめるところが、
まるで母校の音楽史の授業みたい、と思ったら、
案の定、日本語版監修に金澤正剛先生のお名前が(笑)。

いや、多分、時代の始めから羅列したんだろうと思いますが・・・。


「世界初のヴィジュアル音楽大図鑑」というキャッチコピーが興味をそそります。
ちょっと中を 見てみたい!




世界の音楽大図鑑



ロバート・ジーグラー、スミソニアン協会 監修
金澤正剛 日本語版監修
河出書房新社 定価 15984円
初版2014年10月

詳細情報 河出書房新社サイト内 
(フレンチバロックのコーナーにテオルボの絵が登場しています。)




Amazonのレビューを見てみると、
全体にオールカラーの写真が豊富に掲載されていて、
中世、ルネサンスのリュートの写真が美しいとの感想が掲載されています。


何でも、河出書房新社は、大型企画が好調らしく、
特にこの「世界の音楽大図鑑」は昨年2014年10月発行以来、
実売率94%、在庫が底をつきかけているほどの売れ行きとか。


こんな本を生協のカタログにまで載せているなんて、
河出書房新社の営業、侮れませんな。
・・・まんまとひっかかって、すでに購入しそうになっている私。


ここは冷静に、
400ページの大型本なので、まずは図書館をあたってみよう。
なかったら、購入リクエストしてみよう。

長い歴史をざっーと俯瞰したら、何か気がつくことがあるような予感がします。


世界の音楽大図鑑

世界の音楽大図鑑

  • 作者: ロバート・ジーグラー
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/10/25
  • メディア: 大型本



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