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続・Only Lovers Left Alive [愛しのリュート達]

この記事は、前日の記事の続きです。前の記事

先にあげた、裸でリュートを抱えていた男性が 主人公のロックミュージシャンで吸血鬼。
そして、その永遠の恋人役で これまた吸血鬼が、こちらの女性。

IMG_2695.jpg

この映画の時に50代のはずですが、とてもそうは見えない美しさ。
出演作をみると魔女や天使役が多いので、人間ばなれした役が得意な俳優さんなのかもしれません。


さてこの映画、リュートに関する監修とか、音楽演奏とか、誰が担当しているの?と
調べてみましたら、Jozef Van Wissemさんという 
オランダ人のリュート奏者・現代作曲家の方。

ニューヨークで、リュートをPat O'Brienに師事。
この映画で、カンヌ映画祭サウンドトラック賞を受賞しています。

Jozef Van Wissemさんのサイト

超クール、スタイリッシュなサイトですね。

映画の監督、Jim Jarmuschと 2012年に共演し、アルバムを2枚リリースしています。
その関係から、この映画にも参加することになったのでしょう。

二人がコラボした動画がこちら。




映画監督が映像を作っているだけあって、幻想的で美しく、
リュートを弾くJozefの姿も登場しますが、
深淵すぎて、私の理解を超えております。



映画で登場するリュートは誰の製作か、とエンドロールを見ましたら、
Michael Schreinerさんという名前がありました。

公式サイトは見つけられなかったのですが、
ブログを発見。


このブログの説明の文章が興味深い。

・・・このブログは、リュートと歴史的ギター製作についてのブログです。
「どのように how to」だけでなく、「なぜ why」のブログでもあります。
私はいつも リュートやギターを製作するのと同じくらい、
それらについて考えることを 楽しんでいます。・・・


こちらのブログでは、リュートやギターの制作過程の写真やデータなどを見ることができます。

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さてさて、映画「Only Lovers Left Alive」は、
年齢、数百歳の吸血鬼たちが この21世紀の現代社会でどのように生きているのか、という
とても長い時間軸が設定されているのですが、
それと同時に 舞台は ヨーロッパ、アメリカ、モロッコと 地球上の広い範囲にわたっており、
縦、横、共にスケールの大きな物語となっています。


そのスケールの大きさは、台詞、小道具、衣装、インテリアの細部の作り込みと対照的でもあり、
ただの吸血鬼映画に終わらない魅力となっています。

映画の終盤、特別な意味が込められた美しいウードが登場します。
そのシーンを見ただけで、リュートを知る人々は、映画全体を了解するでしょう。

リュートについても ウードについても、それらの関係についても、
何も説明はなされませんが、「知る人は 読み取る」メッセージ。

ここにきて、そもそもこの映画のプロットは、
リュートの歴史に沿って決められているのでは?とさえ、思えてきます。

そして「知る人は 読み取る」メッセージは、音楽だけでなく、
文学や歴史や文化についても 同様に 随所に仕込まれているはずで、
それを読み取れるか?と 観客の教養を問うているわけです。



だだのヴァンパイア・ラブストーリーの娯楽映画かと思ったら、
自分の教養のなさをひしひしと自覚させられるという、
別の意味で 恐ろしい映画でありました。




商品詳細は、こちらをどうぞ。


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