村上春樹は早朝にヘンデルのリコーダーソナタを聴く [お気に入り]
(ブロックフレーテの魅力 録音:1962年)
小説を読んでいるとき、
時折、状況の描写の一部として音楽が流れてきたり、
登場人物が音楽を聴く、というシーンが登場します。
小説の世界と その作者の実生活とは、全く別々のもののはずですが、
あまりに具体的な曲名や 演奏者の固有名詞が出てくると、
作家自身がそれなりに好んで聴いていて 思い入れのある音楽なのだろうか?と
勘ぐりたくもなってしまいます。
村上春樹の小説には、ジャズ、クラシックの音楽が頻繁に登場し、
自身も かなりのレコード蒐集家であることが知られていますが、
はたして 古楽についてはどうなのでしょう。
バッハについては、いくつかの作品で言及されています。
「1Q84」では ダウランドのラクリメ(器楽合奏版)が引用されているのが
記憶に新しいところです。
さて、今年の春、期間限定で開設されたQ&Aサイト「村上さんのところ」では、
ファンからの質問メールに村上氏が返信をする、という試みがなされました。
119日間に寄せられたメールは 3万7465通、
そのうちの3716問に 村上氏が答えています。
サイトが公開されている間、私も出来る限り頑張って読んでいましたが、
その中で、こういう質問がありました。(部分的に引用します)
◎質問ーーーー
・・・(略)ところで、以前「早朝に仕事しながら聞くのはリコーダー音楽がいい」と
書かれていたと記憶していますが、
村上さんが最も好きなリコーダーの曲を是非教えて下さい。(略)・・・
◎村上氏の返信はーーーーーー
リコーダーの音って素敵ですね。
僕はヘンデルのリコーダー・ソナタ(op.1)が昔から大好きです。
高校時代にハンス・マルティン・リンデの演奏するこのヘンデルのレコードを買って、
今でも(50年近くたっても)それを聴き続けています。・・・(略)
懐かしいですね、リンデ。
中学生の頃、ラジオのバロック音楽番組でよく取り上げられ、
それをテープに録音して繰り返し聴いていたような記憶が。
現在、このレコードは 二枚組でCD化されています。
Amazon内で 部分的に試聴も可能のようですので、
興味のある方は どうぞ。
ヘンデルのソナタは Disc2に収録されています。
- アーティスト: リンデ(ハンス・マルティン),テレマン,バッハ,ヘンデル,ダウランド,エイク,ラゴスニッヒ(コンラート),ヴェンツィンガー(アウグスト),レオンハルト(グスタフ)
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2004/06/23
- メディア: CD
村上春樹とリコーダーの話には、続きがあります。
長くなりますので、ここで一旦区切りますね。
次の記事をお楽しみに。
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サイト「村上さんのところ」に寄せられたQ&Aは、7月24日に、
一部抜粋をまとめた単行本と、全メールを収録した電子書籍(コンプリート版)として
出版されています。
詳細情報: 新潮社「村上さんのところ」サイト