エール・ド・クール(3) [CD情報]
昨日の続き。
私の長年の勘違いを訂正させてくれたデータです。
(タンレイ氏による論文より転記。)
ピエール・バラールが出版した「リュート・タブラチュアで記された
さまざまな作曲家のエール集」を調弦別一覧にしたものがあります。
全15巻、700曲余の歌曲が収録されています。
使用リュートは10コースです。
第1巻(1608) G 5 A63 D3 E2 C1
第2巻(1609)G17 A53 D2
第3巻 (1611) G20 A47 H1 F1
第4巻 (1613) G15 A52 E2
第5巻 (1614) G18 A47 D1 E1
第6巻 (1615) G14 A43 E1
第7巻 (1617) G14 A50
第8巻 (1618) G18 A44
第9巻 (1620) G8 A27
第10巻 (1621)G11 A12
第11巻 (1623) G4 A28
第12巻 (1624) G6 A11
第13巻 (1626)G16 A13
第14巻 (1628) G10 A10 F1 C1
第15巻 (1632) G13 A14
特に、初期に出版された巻では A調弦のリュートが圧倒的です。
時代としては、すでに初期バロックといってもよい17世紀。
『A調弦の10コースリュート?・・・イメージ湧かないなあ』が
私の第一印象でした。
第13巻で 一度だけG調弦が多くなっているのみで、
他は すべてA調弦がスタンダードだったと考えてよいでしょう。
もちろん、当時のGやAが 物理的な意味でのピッチいくらか?
という問題は、また難しい問題ですので、
とりあえずここでは、音高の異なるリュート間での相対的な違いと
させていただきましょう。
オイジェン・フェレ氏がニコラ・ヴァレのCDを
Aの10コースで録音していますが、それは非常に正しい選択と
いうことがよくわかります。