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続)セミナー「古楽とは何か」報告 [コンサートのご報告]

前記事の続きです。

冒頭の「古楽とは何か」のこの会での定義の後、
紀元前3000年の遺跡からの笛、エジプトやギリシャでの楽器の発見、
紀元前5世紀のピタゴラスの話・・・
・・・と気が遠くなるような壮大な話が続きます。

さらに、歌やリズム、楽譜がどのようにして始まったのか、という話から、
グレゴリオ聖歌から バッハの死までの歴史が 膨大な資料を基に語られていきました。

この資料集は、オリジナル楽譜のコピーがいっぱいで(ハート型の楽譜とかね)
眺めるだけでも楽しいものでしたよ。



さて、このセミナーの二つ目の問題は、
この長い、長ーい音楽の歴史を 「様式の変化、特筆すべき出来事」という観点から
時代を区切るならば、どこで区切るか?です。


・バロック時代は、初のオペラ「エウリディーチェ」初演の1600年〜バッハの死去の1750年
 
 これについては議論の余地はないでしょう。


・ルネサンス時代は、デュファイが活躍を始めた1420年
 (非常に中世らしいArs subtiliorの盛期がこの15世紀初めの20年間なので、その後、ということで)

・中世の始まりは・・・と、ここで、先生、驚きの告白!

「800年のシャルルマーニュの戴冠を始まりしていいのでは、と、最近 思うようになった」

それまで金澤先生は
「ローマ教会の統一に影響力のあった600年のグレゴリウス1世の改革を中世の始まりとすべき」
と考えられていたそうだ。

しかし、実際に教会学校などを作って新しい運動を始め、
そのために聖歌も多く生まれるようになったということが重要なので、
西洋史において中世の始まりとよく言われるシャルルマーニュの戴冠(800年)を
古代と中世の分岐点としてよいのではないかと、考えるようになった。

とのことでした。



内容が難しくて、私には手に余りますが、
「今までの考えを変えました!」と発表するのは
勇気がいることであろうということは 想像できます。


シャルルマーニュ戴冠の意味が 実感として全く理解できない私は、
金澤先生のそんなところに、大変、感銘を受けたのでありました。

どんな世界でも、一生、学び続けなくてはいけないんですねえ。・・・





さて、最後に次回のセミナーのご案内です。

NPO法人日本ルネサンス音楽普及協会第55回例会
公開セミナー&ミニコンサート「西洋音楽の源流を訪ねて II」

〜キリスト教聖歌と中世歌曲の起源と初期の歴史〜


◎日時:2014年9月14日(日)午後2時より 
◎場所:四谷 絵本塾ホール(新宿区若葉1-22-16 ASTYビル地階)
◎講師:金澤正剛先生(国際基督教大学名誉教授)
◎ミニコンサート演奏:小川美香子さん(ダルシマー)
◎参加費:一般 2.000円 会員無料
◎申し込み:事前申し込み制(定員40名)定員になり次第締め切ります。
  tel & fax  03-5333-1087 (NPO法人ルネサンス音楽普及協会


次回も面白そう。
珍しいダルシマーの演奏もありますので、
皆様、是非ふるってご参加下さいませ。





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