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インタヴュー記事 [プロフィール]

2016年10月2日(日)群馬県高崎市でのリュートソロコンサートに向けて、
主催のアトリエミストラルさんがインタヴュー記事を「アトリエミストラル通信」に
掲載してくださいました。

お許しを得てこちらでも転記しておきます。
結構、質問されないと答えないだろうと思う事柄があるもんですね。
特に「リュートをどうやって知ったのか?」みたいな質問は
コンサートでも興味深げに質問されることがあるものの、
いろいろありすぎて3分ではとっさに答えられないよ・・ということが多いので
この際、少し詳しく書きました。

表向きのプロフィールでは書けない、ちょっとプライヴェートな事柄もこうやって
お伝えするのもいいものですね。

どうぞご覧ください!

コンサート「シェイクスピア時代のリュート音楽」
10月2日(日)15時開演(14時30分開場)@アトリエミストラル(高崎) 
ご予約は nsakura@beige.ocn.ne.jp  090-8047-3757




Q1:リュートってどんな楽器なのですか?(興味はあるけどよく知らない人向けに)

アラビア半島の民族楽器「ウード」が11世紀ごろにヨーロッパに伝わり「リュート」と呼ばれるようになりました。
その後18世紀末まで、中世〜ルネサンス〜バロックという3つの時代にわたって、
ヨーロッパのほとんどの国々の王侯貴族の宮廷で中心的役割を果たす楽器として活躍します。
宮廷楽師だけでなく、王侯貴族自身もたしなみとして演奏していました。
その間、約4万曲の作品が残されましたが、次第に人気が衰退してゆき、19世紀になると誰も演奏する人がいなくなり、一旦伝統が途絶えます。
約100年の沈黙ののち、20世紀の初めに楽器の復元と研究がなされ、今日に至っています。



Q2:リュートとの出会いはいつ、どんな状況で? またリュートを志したきっかけがあれば、是非お願いします。

クラシックギターに熱中していた13歳の時。
かつて、日本で廉価版のリュートが一時期流行ったことがありまして、ギターの先生がリュートを持っていたんです。
クラシックギターの曲の中には、リュートの作品をギター用に編曲したものが結構多く、中学生だった私は
ダウランドやバッハなど古い時代の曲ばかりを好んで(ギターで)弾いていました。
同時に、NHK-FMラジオで古楽を紹介する番組が早朝に放送されていまして、
これを聴きながら漢字の練習をするのが至福の時、という変わった中学生でした。
この番組で時々リュートの音が流れてくるのを聴いていたのもきっかけの一つです。
その後、大学で音楽学を専攻することになり、その教授が世界的なリュート音楽研究の権威であったにも関わらず、
リュートを弾く、ということにはまだ至りません。就職してお金を貯めてやっと中古のリュートを手に入れ、
会社員を辞めてアルバイトしながらレッスンに通うようになりました。
そのうちリュート奏者だった夫と一緒にフランスに留学することになるのですが、
そこでリュート音楽の奥深さに触れ、一生探求してくことになるだろう、と思いました。



Q3: 永田さんにとって、リュートの魅力とはどんなところでしょうか?

静かな音楽であること、繊細な表現ができる楽器であること。


Q4:好きな作曲家、好きな演奏家、尊敬する演奏家は?(リュートでも結構ですし、リュート以外でも)

好きな作曲家・・・フランチェスコ・ダ・ミラノFrancesco Canova da Milano(リュートのための対位法的な作品を数多く残した16世紀の作曲家です)
好きな演奏家・・・ポール・オデットPaul O’Dette (アメリカのリュート奏者です)
尊敬する演奏家・・・今村泰典氏、左近径介氏(私のリュートの師です)


Q5:10/2のアトリエミストラルでのコンサート「シェイクスピア時代のリュート音楽」の聴きどころは?

今回は、今から400年前のイギリスの作品でまとめてみました。
400年前というと、電化製品がなくすべての音楽は生演奏だった時代です。まずはその静かな音楽とリュートの音色を体験していただきたいです。
この時代は、リュート作品全体の中でも一つの最盛期を迎え芸術的に優れた作品が数多く残されています。
ダウランドは比較的よく演奏されますが、ロビンソン、ホルボーンはあまり演奏される機会がありませんので、これを機会に知ってほしいと思います。
また、当時の一般民衆の音楽と貴族の音楽の関係と、その中でメロディーがどのように伝承されていくのかを探るのが隠しテーマになっています。
その脈絡で「グリーンスリーヴズ」やサイモンとガーファンクルがカヴァーした「スカーバラ・フェア」、朝ドラで流れて有名になった「川の流れは広く」などを
再考してみようと考えています。
個々の作品については、ブログに解説記事を書いておりますので、事前にお読み頂けるとよりコンサートが楽しめると思います。



Q6:ご自身の活動で、これからの抱負ややってみたいことなどがあればお聞かせください。


3つあります。
1つ目は、これまで通りリュートを中心としたプログラムで、親密な空間でのサロンコンサートを継続すること。
特に、リュートを聴いたことがない方々のいらっしゃるところや、大都市ではない地域に気軽に出かけて行ってライブを行いたいです。
2つ目は、リュートを弾くロバの物語「ロバのおうじ」の朗読音楽会を全国展開させていくこと。
8年前から継続していますが、来年は全国の朗読関係の方々と協力しながらより活発化させていきたいと考えています。
3つ目は、リュートとは別の、もう一つの私の研究テーマである「月琴」という楽器に関する活動をより深めたいと考えています。
現在、CDを製作中です。

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