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オフィーリアはリュートを弾くのか抱くのか問題 [愛しのリュート達]


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Alexandre Cabanel“Ophelia” (1883年)




前の記事を公開したのち、シェイクスピアのハムレットの第4幕第5場、
狂乱のオフィーリアが登場するシーンの箇所について、

・福田恆存訳では リュートが登場する、
・「ハムレットQ1」というタイトルの安西徹雄訳が出版されている、

というご教示を頂きました。誠にありがとうございます。

そこで今日は近所の図書館に出かけ、いくつかの日本語翻訳を比較してみることに。

結論から言いますと、Q1、Q2、F1という3つの版の成り立ちや相互関係、
またそれらの価値判断について、専門家の間でも意見が分かれています。

日本に限らず、これまでの翻訳家・校訂者は、
それらのうちのどれかを中心としつつも、必ず他も並行して参照し、
箇所によっては部分的に混ぜつつ翻訳をしているようです。
特にQ1はト書きが充実しており、当時の演劇の様子を示す資料として信頼できる、と
いうことで、ト書き部分のみ採用する場合が見受けられます。


               ***


さて、問題の箇所、Q1のト書きの英語は、

“Enter Ofelia playing on a Lute, and her haire downe singing”

この部分がどのように翻訳されているでしょう。


1 福田恆存訳(新潮文庫)________________

オフィーリアは狂乱のてい。乱れた髪が肩にかかり、
胸にリュートを抱きしめている。

(リュート登場! でも弾かないで抱いているだけ・・・。)


2 野島秀勝訳(岩波文庫)__________________

彼女は狂乱の体で、リュートを抱き、乱れた髪が肩にかかっている。

(リュート登場するも、これも抱いているだけ。弾いてよ・・・)

*この二つの翻訳は同じドーヴァ・ウィルソンが校訂した新シェイクスピア全集を基に
翻訳したものなので、共通性が見られます。
校訂者ウィルソンは、Q2を最も信頼するものとしつつも、
Q1とF1からも部分的に採用。(解題より)




3 小田島雄志訳(白水Uブックス)_________________

ホレーシオがオフィーリアをともなってふたたび登場。

(リュートの記述なし・・・)


4 坪内逍遥訳(中央公論社)____________________
初版明治42年、昭和8年再版されたものを参照。

ホレーショー心狂ひたるオフィリャをつれて出る。

(琵琶とでも訳されているかと期待したけど、登場せず)




ではいよいよ「ハムレットQ1」というタイトルで訳された安西徹雄訳を!
 (Q1なんだから、リュート登場するよね、ね!)



5 安西徹雄訳(光文社古典新訳文庫)_________________
(Q1ではこのシーンは第2幕第6場にあたる)

オフィーリア 登場


・・・のみ。(あれ?!)



これはいったいどういうことなのか。
本の最後、小林章夫氏による解題に言及があった。

(Q1資料のト書きが充実しているという文脈で)
・・・「オフィーリアがリュートを弾き、髪を垂らして歌いながら登場」とある。
(本翻訳では単に「オフィーリア登場」としかしていない)
ここなどはシェイクスピア時代の上演の様子を伝えるものとして、興味深いのではないか。・・・・


だったら、それを訳してくれれば良かったのにー!
と、解題の小林氏に言ってもしかたない。
安西氏は2008年に亡くなり、この本は2010年に出版されている。

安西氏はなぜこの部分を省略したのだろう。
この訳が、演劇集団「円」で実際上演するための台本として翻訳されたことを考え併せると、
「リュートなんてどこから調達してくるんだよ?」ということだろう。

それと同様に1と2の訳では「リュートを弾きながら歌う」が
「リュートを抱いて」になってしまうのも、
「リュートの演奏指導、誰がするのよ?」という現実問題なのだろうか。
いやいや、それは文学というものに対する私の認識の甘さで、
おそらくQ1でない別の資料に「弾く」ではない「抱く」とした記述があるのだろうと想像する。


これ以上は、私の手に余るので、ここまでとさせていただきますが、
オリジナル資料を比較するサイトがありましたので、リンクしておきます。


なお、私が通常参照している書籍は小田島雄志訳の白水Uブックスのシリーズと、
英語で全作品を検索できる以下のサイトです。


オフィーリアの場面で音楽的に重要なのは、
この後に出てくる「ウォーシンガム」というバラッドを歌うところなのですが、
残念ながら、この秋の私のコンサートではこの曲は弾きません。
これについても、先の論文で非常に鋭い考察がなされています。

コンサートのご案内「シェイクスピア時代のリュート音楽」
9月25日(日)15時開演@中野 
10月2日(日)15時開演@高崎 


上に挙げた書籍のデータ、貼っときますね。









 

 これ、面白そうだなっと思っています。







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オフィーリアとリュート [愛しのリュート達]


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John Everett Millais (1829-1896)“Ophelia”



シェイクスピアの作品とバラッド・チューンとの関連を調べるうちに、
興味深い論文を見つけましたので、ご紹介しておきます。

論文「“Let her come in” ーー『ハムレット』におけるオフィーリアのバラッド歌唱と政治的危機」
京都大学大学院 喜多野裕子氏


『ハムレット』に狂女として登場するオフィーリアが、劇中でバラッドチューンを歌うという
シーンがいくつか出てきます。
その意味について、民衆と貴族という階層の構造から捉えた解釈がなされています。

これについて興味がある方は、ぜひ論文本文をご覧頂くとして、
その周辺情報としてリュートについての記述が他に例を見たことがないものだったので、
ここで引用しておきます。


シェイクスピアの作品にはいくつかの版あり、
普段私たちが目にする一般書籍での「ハムレット」にはリュートは登場しません。
(*文末にこの表記について、訂正があります。8月19日)
しかしながら、別の版(Q1と呼ばれる)でのオフィーリアが歌いながら登場するシーンには
「リュートを演奏しながら」というト書きがあります。

それに関する喜多野氏の指摘。

・・・当時の貴族は楽器を嗜んではいたものの、人前や公の場で演奏することは
貴族と演奏者間の主従関係を崩壊させるとしてふさわしくない行為だとされていた。

(中略)

オフィーリアの狂気がリュートの携帯につながり、階級の撹乱が強調される。
初期近代イングランドにおいては、精神的に崩壊した貴族女性が楽器を演奏しつつ
王や王妃の目前でバラッドを歌うという設定自体が衝撃的であり、
劇的効果も高かった可能性が高い。・・・


さらに、オフィーリアは貴族の女性だが、狂女としてバラッド(小謡)を歌うということで、
宮廷へ抗議する民衆の側に立つ役割を果たしており、
その階級の撹乱は「人前でリュートを弾く」という所作として演出されている、と
論が展開していきます。




リュートで伴奏しながら歌った方が音程が取りやすい、という役者の都合なんじゃないの?
と、単純に私は思ったのですが、なかなか深い意味があるんですね。



そもそも「ハムレット」ってどんな物語だったっけ、と、
上記論文を読んだ上で、もう一度、映画でおさらいすることにしました。
(続きます)



(*訂正:記事を公開した後に「福田恒存訳にはリュートが登場する」ということと、
 「安西徹雄訳のQ1が出版されている」というご教示をいただきました。
  各種、日本語翻訳本で、この箇所、第4幕第5場がどういう訳になっているのか、
  比較した記事をただいま用意しています。)



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コンサートのサブタイトルは「ため息はおやめ、女性たち」 [コンサートのお知らせ]


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アーサー・ヒューズ Arthur Hughes (1831-1915)の
「傷つけられた心」“The Pained Heart”

大型のマンドリンのようにも見える楽器は、おそらくリュートを意図したものでしょう。
19世紀なのでこれは致し方ないですね・・・。

              *****


「Sigh no more, ladies〜ため息はおやめ、女性たち」にしました。

シェイクスピアの喜劇「から騒ぎ」の第2幕第3場に挿入されている劇中歌で、
お抱えの楽師バルサザーがリュートを弾きつつ歌います。


Sigh no more, ladies, sigh no more. 
    Men were deceivers ever, 
One foot in sea, and one on shore, 
    To one thing constant never. 
Then sigh not so, but let them go, 
    And be you blithe and bonny, 
Converting all your sounds of woe 
    Into hey nonny, nonny. 

Sing no more ditties, sing no more 
    Of dumps so dull and heavy. 
The fraud of men was ever so 
    Since summer first was leafy. 
Then sigh not so, but let them go, 
    And be you blithe and bonny, 
Converting all your sounds of woe 
    Into hey, nonny, nonny.

ため息はおやめ、女性たち、もうため息は。
男心は移り気なもの
今日は海へ、明日は陸へ
ひとときも落ち着くことはなし。
だからため息はやめて、未練は捨てて
あなたは明るく笑っておくれ
嘆きの言葉はやめにして、
陽気に歌おう、ヘイ、ノンニ、ノー

歌うのはおやめ、女性たち、もう歌は。
そんなに暗く重い嘆きの歌は。
男の嘘はいつものこと
夏に青葉が初めて繁ったころからずっと。
だからため息はやめて、未練は捨てて
あなたは明るく笑っておくれ
嘆きの言葉はやめにして、
陽気に歌おう、ヘイ、ノンニ、ノー


「明るく笑っていこうよ、女性たち」というポジティブなメッセージが気に入って、
この冒頭部分をサブタイトルに引用させていただきました。



この場面の歌の前後が面白いのですよ。

楽師バルサザーが 前奏部分をリュートを弾き始めると、
傍にいたベネディックが

「なんとも妙なる調べ!魂も奪われてしまう。
奇妙なものだな、羊の腸で人の腹から魂を掴み取ってしまうというのは・」と独白。

そしてバルサザーがリュートを伴奏にこの歌を歌う、という段取り。



「羊の腸で・・」というのは、言うまでもなく、リュートの弦が羊腸を原料としていることを
暗黙の了解としています。

現代においては、この演劇を見ている観客の中で「くすっ」と笑えるのは
リュート関係者だけでしょうね。


同様の比喩で「バグパイプの音色を聴くとトイレに行きたくなる」というセリフも
どの作品だったかは忘れちゃったのですが、あったような。

IMG_4532.JPG


見逃していたケネス・ブラナー監督の映画「Much Ado About Nothing」(1993年)を
見てみましたら、この歌詞から映画が始まるという演出になっていました。

1993年なんて子育て真っ最中でこんな映画があったとは全く知らず。
当時、結構ヒットしたらしいから、
この「Sigh no more, ladies」も知っている人は知っているのか。
私は何も知らなかったけれど、サブタイトルにして良かった・・・。

もちろん、この映画での音楽は古楽テイストではなく、
リュートの代わりにギターが登場するのですが、
これはこれでメロディーの美しい曲に仕上がっています。
英米の定番の合唱曲になっているみたい。

聞いてみたい方はこちらからどうぞ。


当時の劇では 滑稽な役人・ドグベリーをケンプが演じたという記録が
残っているとのことで、そう思って映画を見ると親近感がわきました。

シェイクスピアの戯曲作品は、本だけで読んでも理解しずらいのですが、
こうして映画作品を見て、大筋をつかんでから読み直したりすると楽しいですね。





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リュートカレンダー8月の絵 [愛しのリュート達]


このところ、気温35度を超える猛暑が続いています。
暑いですねー!

せめて涼しげな格好でリュートやガンバを弾いている女性たちの絵を鑑賞して
暑さをしのぎましょう。

リュートカレンダー8月の絵は、ヤン・ファン・ベイレルトの【コンサート】です。
Jan Hermansz van Bijlert(1597 or 1598-1671) “The Concert”

Jan_van_Bijlert のコピー.jpg


頭につけているのは、豪華な羽飾り。うさぎ耳ではありません。
この時代の風俗画の衣装としてよく描かれていますね。

頭にはこんな飾りをつけているのに、身体のほうは官能的すぎる薄着(というか半裸)で、
これは一体どういうシチュエーションなのか?!と考えますに、
ここは売春宿で この女性たちは娼婦ということでしょう。

このような場での作品は当時オランダで数多く描かれ、その裏には道徳的な教訓が込められることも。
(どのような意図を汲み取るかは、ご自由に)

タイトルは「コンサート」ですが、現代でいう観客を前にした演奏会ではなく、
自分たちが楽しむための日常的な合奏風景。

手前に二人の女性奏者たち、奥の左端にリコーダーを吹く男性がいて、中央の男性は歌手でしょうか?

この絵を見ると、何とも落ち着かない感じがするのですが、
それは人々の視線がまったく交差していないからだと思い当たりました。

つまり、リコーダー奏者は歌手のことを気にしつつも、歌手はどこを見ているのやら、うわの空、
ガンバ奏者はリュート奏者に視線を送って合図をしている風なのに、
リュート奏者は 私たち鑑賞者へ熱い視線を送っていて、全く他の3人のことを気にしていない。

このアンサンブル、だめなんじゃ・・ちゃんと一緒に合奏できてるのかしら・・と
不安になる構図です。

逆に言うと、絵の世界だけで完結してなくて、こちら側へと開かれているが故に、
とても親しみを感じ、そこでの音の響きに思わず耳を澄ましたくなる、
あるいは自分も一緒にアンサンブルに参加している気分になる作品とも言えるでしょう。
その両方の世界をつなぐ役割をリュート奏者が担っているのです。


あまり高解像度の画像を見つけられなかったのですが、リュート部分を拡大、
少し露出をあげ、シャープをかけてみます。

concert-up.jpg

弦の数を数えてみると、10コース・ルネサンスリュート(1コースは単弦)。

フレットについては判別できず不明。

珍しく、テーブルに寄りかからずに、脚を組んでリュートを持っています。

左右の手の形も自然で、持っているだけでなく、実際弾いているんだろうなと思わせる
リアリティがあります。
聞こえてくるのは、g-minorの和音。


            ***

作者ファン・ベイレルトは、オランダ・ユトレヒト出身の画家で、カラヴァッジョ派の一人。

自画像(1649年作/51歳の頃)

Portrait_de_Jan_Van_Bijlert.jpg

成功した画家であり多作家でもあったのですが、ややマイナーなのか、
ネット上に画像は多くありません。

他のオランダの画家と同様、人々の日常生活の一コマを描いた風俗画を得意とし、
それらの中に楽器を奏する人々が描かれています。


            ***
では、この画家の他の作品を紹介します。

同じく【コンサート】“The Concert”と題された作品。

Jan_van_Bijlert_The_Concert-1.jpg


右端の床に、リュートが伏せて置いてあります(ガンバのおじさんに蹴られそう、ハラハラ・・・)
これも集った人々が合奏を楽しむ様子を描いたものと思われますが、
右から、ハープ、リコーダー、ガンバ、シターン(?)、ヴァイオリン。
胸を露わにした女性と男性は楽譜を前に、歌っているのでしょうか。
奥の左端の男性は、勢いよく高いところからお酒をグラスに注いでいるところです。

この状況でどんなサウンドが聴こえてくるでしょう。

そして、この作品もまた、中央のシターンを弾く女性が振り返りつつ視線を私たちへと送り、
各メンバーの視線はそれぞれ別の方向へと向いていて、絡みあうことはない構図となっています。


【音楽の仲間】“Musical Company”

Jan_van_Bijlert_-_Musical_Company_-_WGA02182 のコピー.jpg

11コース・バロックリュートかと思われます。
8コースリュートに、少しずつナット部分を継ぎ足して、
拡張したバス弦を載せてみました・・・みたいな形の糸巻き部分になっています。
この時期のオランダの絵画にちょくちょく登場するタイプのリュートです。

ヴァイリンとリュートの合奏、または左端の男性も歌手として参加していると思われるものの、
これもまた視線が合うことのない「音楽の仲間」・・・。


次に【リュートを弾く若者】“A young man playing lute”

playlute のコピー.jpg

これはなかなか珍しいポーズです。
テーブルにリュートを乗せて、中腰で立っているようにも見えます。
こちらへ向けた挑発的な視線が鋭すぎて、リュートがもはや武器のように見えるほど。

肝心のリュートの姿はほとんど見えないけれど、
ペグボックス(糸巻き部分)にユニークな特徴があります。

playlute.jpg

6コースに、拡張したバスを載せるために小さなペグボックスを継ぎ足したような形。
前の作品のリュートともちょっと違う形をしています。

長い棹の方のナットには2コース分の弦が載っているように見えるものの、
ペグはもう1セットあるようにも見えます。



次も【音楽の仲間】“Musical company” と題された作品で、最近発見されたもの。

BijlertMusical のコピー.jpg

豪華な衣装のほろ酔い気分の男性。リュートで音をとりながら歌の練習中でしょうか。
右手の仕草が、拍子をとってリズムを数えているようにも、
メロディーの抑揚を示しつつ みんなをまとめているようにも見えます。

背後にいる男性ふたりも、大きく口を開けて声を張り上げている様子ですが、
この二人、距離が近すぎでは。
この作品もまた、お互いの視線が交わることはなく、見ていて不安がよぎるものの、
3人のおじさんたちの口元には愛嬌があり、
大声で歌うことの無邪気な喜びが伝わってくる作品。


この作品は カラヴァッジョの影響を最も強く受けていた時期(1624年頃)の作品で、
リュートの描写もとりわけ精密です。

BijlertMusical-light.jpg

1コースも複弦に張った、8コース・ルネサンスリュート。

BijlertMusical.jpg

フレットはシングル巻き。
糸巻き部分に、巻き残した弦の端が 飛び出している様子も描かれています。





【音楽やってる仲間たち】“Making music company”(1629年ごろ)

musicmak1.jpg

この作品には、合奏が上手くいってそうだ、と思わせてくれる安心感があります。

両端の男性二人は別として、中央5人は一つのテーブルの方を囲み、
シターンを弾く女性とその肩を抱く男性とは見つめ合い、
ヴァイオリンとリュート(6コース・ルネサンスリュート)を弾く男女は
同じ楽譜に視線を注いでいます。

皆に右手で合図をしつつ歌っている女性と、
楽譜なんか見なくても余裕だよ、という雰囲気の左端のハープの男性は、
私たちの方へと視線を送り、合奏への参加を促しているようにも。

musicmak.jpg

ハープの男性の足元には、楽譜と共に、トロンボーンらしき金管楽器、
ガンバ、タンバリンなどの楽器が転がっています。

どの楽器なら参加できそうでしょう?(私は憧れのタンバリン一択です)

        ***

この作家は、描かれた人物たちの視線の扱いが面白いなあと思って、
ここまで作品を見てきましたが、最後に私が一番受けた作品を紹介させてください。

ギリシャ神話をテーマにしたものです。

【キューピッドを折檻するヴィーナス】“Venus chastising cupid”

Jan_van_Bijlert_-_Venus_Chastising_Cupid_-_Google_Art_Project-1.jpg

珍しいテーマだと思いますが、
人物(神様というべきか)の描写に関してはまあ、普通。


その様子を見ている右端の鳩たちにご注目!

Jan_van_Bijlert_-_Venus_Chastising_Cupid_-_Google_Art_Project.jpg

「おー、こわこわー。ヴィーナス怒ると怖いよ。逃げようぜ」


この鳩たちにすごく感情移入してしまいました。

      *****

今回の絵画作品から聞こえる音楽は・・・


    

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シェイクスピア時代のリュート音楽@東京/高崎 [コンサートのお知らせ]


北海道公演と同内容で、東京と群馬でも公演を予定しています。
夏シーズンのタイトルは「夏の夜の夢」でしたが、
秋シーズンは「Sigh no more, ladies〜ため息はおやめ、女性たち」というタイトルにしました。


【東京公演】
日時:9月25日(日)15:00開演(14:30開場)
場所:Space415(JR中野駅より徒歩12分)
料金:3000円(前売)3500円(当日)
チケットご予約:order@seikonagata.com 


【群馬公演】
日時:10月2日(日)15:00開演(14:30開場)
場所:アトリエミストラル(高崎駅よりバス、タクシー、自動車)
料金:3000円(前売)3500円(当日)高校生以下 1500円
チケットご予約:nsakura@beige.ocn.ne.jp(櫻井)



チケットのご予約申し込みの際は、お名前と枚数をお知らせ下さいませ。

詳細情報は公式サイトのコンサート情報コーナーをどうぞご覧下さい。

チラシは、北海道のニセコ町有島記念館で撮影した写真でデザインしました。
イギリスっぽい感じに仕上がりました。

CpGV7uPVYAAnQhn.jpg


いずれの会場も親密なサロン形式(少数座席)となっていますので、
お早めのご予約をお願いいたします。

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「夏の夜の夢」@小樽文学館終了 [コンサートのご報告]


前の記事の続きです。

ニセコ町有島記念館での公演を予定どおりに終えて、今度は小樽へと移動しました。

途中「ここら辺は火山の噴火口の中ですよ」と説明されて、びっくり。
まさか噴火したりしないだろうかと不安になりましたが、大丈夫。現在は休火山。

そう言われて、見渡すと地形がそのようにも見える。
こういう話は大好きなのだけれど、教養がなくてその価値とか味わいどころが
よくわからないのが 非常に悔しい。

2年前の北海道公演で訪れた余市あたりを通り過ぎ、日本海沿いを走る。

ファイル_000 (14).jpeg

一面に、青い海と空。新潟から見る日本海とも、太平洋とも違いますね〜。


会場の小樽文学館は、建物自体がレトロな歴史的建造物で、
古楽のコンサートにはぴったりの会場でした。

いくつかのお部屋があるうち、
当初はこのアーリーアメリカンなインテリアのカフェコーナーを予定していました。

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白いタイルのカウンターに、赤や黄色の小道具がアクセントとなっている素敵な空間です。
右の壁面CDプレーヤーに 私のCD「ふらんすの恋歌」が!(ありがとうございます!)

ところが、想定外にチケットのご予約をいただいたため、急遽、展示会場のスペースを
お借りすることになりました。

特別展「早川三代治展〜インターナショナルな知的表現者」が開催中。
子孫にあたる方が今回も(前回の小樽公演にも)ご来場くださいました。

早川氏は有島武郎に心酔していた方とのことで、
この日、有島記念館から移動してきたばかりだった私は、不思議な縁を感じました。

この展示スタイルがまた実にユニーク。(人がいるのかと驚いたよ・・・。)

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早川三代治氏の存在を背後に感じつつ、リュートを演奏するステージ設定に。


FullSizeRender.jpg

開場前、夕方になり、西陽のさす図書館コーナーにて。
小学校の図書館のような懐かしい雰囲気がありました。


今回、小樽は二回目だから同じお客様なのかと思いきや、
いつものごとく「リュート初体験」アンケートをすると、ほとんど全員の手が挙がりました。

終演後、お客様との質疑応答や情報交換で大盛り上がり。
小樽在住の方のみならず、札幌から車でお越しになった方もいらっしゃって、
感謝の気持ちでいっぱいです。

ご来場のお客様、主催の小樽文学舎さん、文学館のスタッフの皆様、
コーディネートしてくださった片桐仏壇店アトリエピアノさん、
どうもありがとうございました。

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翌朝、早朝から小樽港〜倉庫あたりを散策しました。
日差しは強いものの、空気は乾燥してとても快適。

レトロな雰囲気が漂う、裏通りの路地。

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坂道をのぼりおりして、ホテルの朝食を。
9時過ぎには、千歳空港へ向かう列車に乗って、帰途につきました。


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「夏の夜の夢」@ニセコ町有島記念館終了 [コンサートのご報告]


前の記事の続きです。

2016年7月23日(土)午後1時の開演にそなえ、午前中には会場のニセコ町有島記念館
到着しました。

車道から小道に入ってから記念館までしばらく車を走らせますが、
その辺り一帯が、作家・有島武郎が所有していた土地で、今もその名が地名として残っています。
田園風景がしばし続き、きれいに整えられた庭が見えてきました。

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ラベンダーが群生していました。生のラベンダーを見るのは初めてかも(感激!大興奮!)

打ち合わせの後、簡単にリハーサルを終えて、庭で楽器の写真撮影。

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有島武郎に関する展示コーナーを拝見しました。
家族写真や手紙、原稿などがたくさん展示されています。
明治〜大正時代の白黒写真というのは、味があって良いものですね。

全体の展示レイアウトがセンス良く、洗練された雰囲気となっています。
私の関心は、文学作品や生涯についてのみならず、
有島武郎が小作人に農地を無償で解放したという点だったのですが、
その際に書いた文章が大きく展示されていて、これにはとても感銘を受けました。

この辺りの詳細は記念館のこのページをご覧下さい。




さて、コンサートは数日前に北海道新聞の地元版で広報されたこともあり、
80人もの多くのお客様がご来場下さいました。
掲載された記事を見て「リュートとはどんな楽器ですか?」という問い合わせの電話が
何本もかかってきたそうです。
これには担当の方も「まあ来てみてください!」と答えるしかないでしょう。

いつもリュートについて紹介トークはしますが「そういうことなら!」と一層、熱が入ります。

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「棹の先がこんな風に曲がっていて・・・」と話しているところ。
お客様、興味津々で、前のめりになって聞いて下さいました。

ガラス張りの会場で、背景の庭の緑が美しいですね。この日も快晴!(鳥?!)

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(写真は主催者の方から頂戴しました)

休憩時間や終演後も、皆さんから多くの質問をお寄せ頂きました。
嬉しいですね。



このコンサートイベントスペースは通常ブックカフェとなっており、
コーヒーを楽しみながら、本を読んだり勉強したりできるスペースとなっています。

そのカフェが「高野珈琲店」さん。
深入りでコクのある味わい。とても好みの味でした。
もし記念館を訪問なさる際は、ここの珈琲を是非!

有島記念館向け特別パッケージのコーヒー豆。作品のタイトルがついています。
(ドンレブって何?と思いましたが、ブレンドですね・・)

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ご来場のお客様、主催の有島記念館のスタッフの皆様、
コーディネートと送迎して下さった片桐仏壇店アトリエピアノさん、
どうもありがとうございました。



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麗しの山姿「羊蹄山」 [コンサートのご報告]


札幌市内での公演の翌日、早朝から車に乗せていただき、
次の公演場所であるニセコ町へと向かいました。
途中、峠を二つ越えて約2時間のドライブ。


普段、全く自動車に乗らない私にとっては、
助手席に乗ってドライブをするという体験そのものが
コンサートと同じくらいワクワクすることでした。

お天気は快晴。
思ったよりも気温は高かったものの、さすが北海道、
空気は乾燥していて爽やかです。

道中、峠のドライブインから見えた羊蹄山。

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別名「蝦夷富士」の名前が示す通り、左右対称のなだらかな山姿が
とても美しいですね。

ドライブしながら、針葉樹と広葉樹の分布についてや、
白樺の生息などについて詳しくお話を伺いました。
(こういう話を教えていただくのがとても好き)

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絵に描いたようなドライブ風景です。
本当にいいお天気だったのがわかりますでしょう?

左右には広大な畑が広がります。空も広〜い。

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両側に ジャガイモや、トウモロコシなどの畑が延々と広がり、
作物が変わるたびに色が変わります。
薄桃色のソバの花が一面咲いているところもありました。

「写真を撮りたかったら、車を止めますから言ってください」と言われましたが、
今の私にそれをさせたら、次のコンサート開演に間に合わなくなるよ・・・と、
グッと我慢しました。

そして到着したニセコ町有島記念館がこれまた「ここは本当に日本ですか?」と
言いたくなるほどの美しいところだったのです。(次に続く)


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「夏の夜の夢」@カフェエスキス終了 [コンサートのご報告]

2016年7月22日、羽田空港から北海道へと。
東京は朝からザーザー降りの雨で少し肌寒いほどでしたが、
札幌は青い空が広がる快晴。暑いほどでした。

「夏の夜の夢〜シェイクスピア時代のリュート音楽」第1回目公演の会場、
カフェエスキス CAFE ESQUISSEさんは、札幌市内でもとりわけお洒落な地域、円山にあります。

文化人が集うカフェ&ギャラリーとして名高いお店で、
常連の皆様の鋭敏なアンテナのお蔭で、早々とご予約満席となりました。


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店内の壁は 深い蒼色。静謐な雰囲気が漂います。

開催中の孫田敏氏の写真展「植物微視」の作品と一緒に。
孫田様もコンサートにご来場くださっていて、
その驚きの撮影方法についてお話をお伺いすることができました!

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リュートを立てかけている仕切り棚の向こうがステージで、
手前のテーブルにお客様が着席するような会場設定。
棚の隙間から覗きつつ、リュートを弾くという面白い空間でした。

「貴族の晩餐会にお仕えする宮廷リュート奏者」の気分を味わえる
貴重な体験でした。


終演後もお飲み物をいただきながらお客様と歓談の時間を持つことができ、
和やかなうちに無事終了いたしました。

ご来場下さったお客様、カフェエスキスのマスターと奥様、
コーディネートしてくださった片桐仏壇店アトリエピアノ様、
SNSその他で広報にご協力下さった皆様、
どうもありがとうございました。

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札幌在住の作家・木村洋平さんが鮮やかな色合いの花束を下さいました。
いつもどうもありがとうございます。



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マスターご夫妻から「有機黒千石茶」をお土産にいただきました。

パッケージがお洒落です。(カフェエスキスさんは何もかもがお洒落。)

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中はこんな黒い大豆がパックになっています。
北海道有機JAS認定取得商品で、黒千石豆は国産大豆の中で生産量わずか0.2%。


お店ではホットで頂きましたが、水出しの冷茶にして。

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冷蔵庫にいれて一晩おくと、豆の香りがするお茶が出来上がります。
ほっとする優しい味です。

どうもありがとうございました!


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