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リュートはいつから「リュート」と記した? [愛しのリュート達]

シェイクスピアの『空騒ぎ』(第3幕第2場)に、ふふっと笑ってしまう、
リュートに関する記述がありました。



(ある人物が恋をしているのではないか、と噂する場面。)

クローディオー:左様、しかも、一番変わったのは万事を洒落とばす気軽な才気で、
それがルート(リュート)の弦に巻き込まれ、高さ低さも意のままならぬ金縛り。

ドン・ペドロ:なるほど、それは大分重態らしい・・・要は要するに、恋だという事になる。

(福田恆存・訳 シェイクスピア全集/新潮社)



リュートの調弦が安定しないことへの揶揄が、ここにも。

図書館で見つけたこの古い本(昭和37年出版)でも、
また小田島雄志さん訳でも、リュートが「ルート」と表記されています。

英語の発音に近いカタカナ表記と思われますが、
いつ頃から「lute」をリュートと表記するようになったんでしょうね。

音楽の分野でのリュートの普及状況とリンクしているとは思いますが、
そのあたりの変遷を見てみるのも 面白いかもしれません。




かつて、つのだ先生が
「リュートの先のところ、龍の頭みたいでしょ?
 だから「龍頭(りゅうとう)」と呼ばれるようになりました」と楽器説明をしていらして、
冗談なのに、お客さんはすっかり信じ込み、リュートは中国の楽器と誤解されていたことを
思い出して、また一人で ふふっとなりました。


IMG_1216.JPG

弦を変えたあと、端の始末が出来てなくて、まさに龍のひげ状態・・・。


さて、「シェイクスピア時代のリュート音楽」プログラム解説は
9月25日の東京公演、10月2日の群馬公演まで続きますが、
一旦、明日から北海道公演に出かけますね!





じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ (新潮文庫)

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  • 作者: シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1972/01/29
  • メディア: 文庫










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