シドッチが持っていたマリア像 [日々の想い]
報じられてやや日にちが経ちましたが、
切支丹屋敷跡(東京都文京区)から出土した人骨がDNA鑑定などの調査によって、
イタリア人宣教師シドッチ(1668-1714)のものである可能性が高いことが判明しました。
以下、自分のための備忘録として書いておきます。
webニュースの中では、さすがに「クリスチャントゥデイ」が詳しく伝えています。
DNA鑑定については明瞭な説明。
イタリア人のDNAであったことと、
同時期に屋敷にいたもう一人のイタリア人、キアラとは身長によって区別されたとのこと。
埋葬法についての説明がやや判りにくいけれども、
「棺に体を伸ばした」状態の土葬という、ほぼキリスト教式での埋葬状態で発見されたことも
シドッチと考えられる根拠の一つになったらしい。
当時は 外国はもちろん日本でも土葬が一般的であったが、
日本では「手足を曲げた屈葬」が主だったため、それと区別された。
また、キアラ(小説「沈黙」のモデルとなった人)は転向したのち、
比較的優遇された生活を送ったにも関わらず、
その埋葬方法は、キリスト教では忌み嫌われる傾向にある「火葬」だったという。
両者を比較すると、どちらが幸せだろう、と考えてしまう。
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シドッチ(シドッティ)が所有していた絵が、上記の「親指のマリア」(カルロ・ドルチ作)。
現在、東京国立博物館が所蔵、重要文化財になっています。
没後300年だった2014年に話題になっていましたね。
マリアを象徴する鮮やかな青い衣と、そこから僅かにのぞいた親指に目が惹きつけられます。