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シェイクスピア「リュートをとれば」 [愛しのリュート達]


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今年は、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの没後400年の記念の年にあたります。

「ヘンリー八世」にリュートのことを詠んだ詩が登場しますので(再度)ご紹介します。

第3幕1場、夫の心変わりを気に病んでいるキャサリン妃が
側にいる侍女に、針仕事の手をとめてリュート伴奏で歌って、と頼むシーン。

そこで侍女が歌うのが、この歌。


 

Orpheus with his lute made trees, 


And the mountain tops that freeze, 


Bow themselves when he did sing:


To his music plants and flowers 


Ever sprung; as sun and showers 


There had made a lasting spring. 


 

Every thing that heard him play, 


Even the billows of the sea, 


Hung their heads, and then lay by. 


In sweet music is such art, 


Killing care and grief of heart 


Fall asleep, or hearing, die.


 

オルフェウスがリュートをとれば 
木々の梢も凍りつく雪山も         
頭をうなだれて聞き惚れぬ。
オルフェウスの調べにつれて
可憐な花も緑の草も
常春のごと萌え出でぬ。


    

オルフェウスの歌声聞けば
高ぶる海の荒波さえも
頭をたれて静まりぬ。
オルフェウスの妙なる曲に
胸の痛みも心の憂さも
眠りにつくごと 消えはてぬ。        


小田島雄志氏(訳)

 

 

 

 

 

不安で落ち着かない心をすっと鎮めてくれる、リュートの音色。
その様子が、自然描写で表現されていますね。
 
シューマンは、この歌詞に曲をつけて、ピアノ伴奏の歌曲を残しているようです。
(うーん、あまりいい動画を探せなかった・・・)
 

Naxos Music LibraryにCDの紹介があるのですが、http://ml.naxos.jp/work/219063

一行目だけを無理に訳したのか、邦訳が「木製のリュートを弾くオルフェウス」(笑)

木製でないリュートがあるんかい! って、思いましたよ。・・・

 

 



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