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映画「スター・ウォーズ」を観てみたいと思った瞬間 [お気に入り]


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スター・ウォーズ〜フォースの覚醒」が公開中で話題になっておりますが、
一作目を見逃してしまったために 続くシリーズを全く見ないままにズルズルと生きてしまい、
もうこの世界には関わらないでおこう、と諦め気味だった私が、
一度だけ、これまでのSF映画を網羅して観てみたい!と思った瞬間がありました。

それは、映画「ホドロフスキーのDUNE」を観たときです。



「みんな観ていて、すごく話題になったのに 観逃した。レンタルしてきて!」という娘の要請により、
若干、苦労してレンタルしてきたものの、
今思えば、そんなに話題になっていたのになぜ品薄なのか(貸出中でなく、取り扱いがない)、
彼女のいう「みんな」が極限られたアングラ趣味のアーティストたちであったことに、
気がつくべきだったと思います。


「そんなに話題になったなら、観なきゃね」と何気にテレビの前に座って観はじめて、
そして、すごーく感動しました。
この記事書いていて、そのときのことを思い出しているだけで、
わけもなく泣けてくるくらい。

単なるインタビューと絵で構成されたドキュメンタリー映画で、
しかも「彼が作ろうとした映画は 結局、実現せずに企画倒れに終わりました」という内容なのですが、
それがなぜこんなに感動的なのか。

そして、笑える。
ホドロフスキー自身が真面目なのか、ふざけているのか、よくわからないところがとても笑える。

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頓挫して残された膨大な量の絵コンテは、この後に製作されたスターウォーズをはじめとする
数々のSF映画に、大きな影響を与えたと言われています。

そのことを知った瞬間「これまでのSF映画を全部観てみようか」という気になりました。
一瞬ですけど。

でも その計画は止めました。
「ホドロフスキーのDUNE」は「純粋に創造的なものは、商業化に耐えられない」という一例を
示した映画でもあり、そう考えると、世界的にヒットしたSF映画を観るよりも、
彼が監督した他の作品に興味が湧いてきたからです。


それで「エル・トポ」から「リアリティのダンス」までの数作を観ましたが、
どの映画もシュールすぎて、精神的ダメージは大きく、誰とも感想を共有できない、という
孤独な底なし沼にはまりました。

ネットの口コミには
「普通に生活していたら、一生の間に まず出会うことはないであろう映画」と書かれており、
それに出会ってしまった私は、この先どう生活していったらよいのか、と目眩がしました。


私と同様に「スター・ウォーズを観たいけれど、前作までを観てないからなあ」と思っている方、
「ホドロフスキーのDUNE」をレンタルしてみるのも一興ですよ。

創作活動への意欲を猛烈に掻き立てられ、
「スター・ウォーズのアイディアはね」と蘊蓄を語ることも出来るかもしれません。
この映画だけで止めておけば、ね。

おすすめです。


ホドロフスキーのDUNE [DVD]

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • メディア: DVD







ホドロフスキーのDUNE/リアリティのダンス 初回生産限定版 Blu-ray BOX

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エル・トポ HDリマスター版 [DVD]

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リュートが登場する絵本「たくさんのお月さま」 [愛しのリュート達]


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リュートが登場する絵本のご紹介です。

以前、朗読音楽会「ロバのおうじ」でご一緒した朗読の方から教えて頂きました。

「たくさんのお月さま」
ジェームズ・サーバー/文 
ルイス・スロボドキン/絵
なかがわ ちひろ/訳
徳間書店/出版

1944年に、アメリカの優れた絵本に与えられるコルデコット賞を受賞。
70年にわたり世代をこえて読みつがれている古典的名作です。

1949年に日本語の翻訳版が出版されましたが、戦後まもない時期だったためか判型も小さく、
まもなく絶版に。
作者の生誕100年にあたる1994年、別の出版社と翻訳者によって
改めて出版されました。


「お月さまが、ほしい」という幼い姫の願いをかなえようと、
王様は 大臣、魔法使い、数学者に相談しますが、いい知恵が浮かぶはずはなく、
困り果ててしまいます。

そこに呼ばれた道化師。
「おまえなんぞに、できることはなかろうが、せめてリュートをひいてくれ。
なにか、悲しい曲をな」と、王様に 軽くあしらわれるのですが、
何とこの難題を解決したのは、このリュートを弾く道化師だったのです。

この、【賢者が難題を相談される】→【道化師がリュートを弾く】→【姫に訊いてみる】→【問題解決】
というパターンが 二回繰り返されます。


3人の賢者の長い口上は、それぞれ皮肉が効いていて、
大人はくすっと笑ってしまいそうになるし、
言葉のリズムが良くて、子どもたちは大喜びしそうです。


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リュートというより、エレキベース?
ボディは丸いけれど、ネックの先が曲がってないのが、うーん、惜しい。
そして、足が痺れそうなフォームですね。

1944年、まだネット検索も出来ない、本物のリュートを見る機会もなかったであろう時代、
それでも「王様、お姫様」が登場するお話には、リュートを登場させたかった、という
気持ちは伝わってきます。


シンプルなストーリーなのですが、
いつしか大人は この3人の賢者のように、知識や思い込みにがんじがらめになって、
物事を 必要以上に難しく考えすぎている、ということに気づかされます。

どうしたらよいのだろう、と考えあぐねる時は、リュートで悲しい曲を弾いてみることにしましょう。


(厚生省中央児童福祉審議会 平成6年度推薦文化財)


たくさんのお月さま

たくさんのお月さま

  • 作者: ジェームズ・サーバー
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: ハードカバー



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本「古楽とは何か」(アーノンクール/著) [お気に入り]


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「古楽とは何か〜言語としての音楽」
(ニコラウス・アーノンクール/著、樋口隆一・許光俊/訳、音楽之友社)。

この夏ごろから、主にTwitter界隈で話題になっていた書籍を読んでみました。
しばらく絶版となっており、図書館を探しまわるツイートが流れておりましたが、
その声が届いたのか、先日めでたく再版となりました。

折しも、そのタイミングでアーノンクール氏の現役引退のニュースが流れてきました。
読むなら今だ!ということで、読んでみました。

全体は、3つの章に分かれており、それぞれ独立していて、どこから読んでもいいです。

◎第1章 音楽と解釈への基本的考察
◎第2章 楽器と言葉
◎第3章 ヨーロッパのバロック音楽とモーツァルト

第1章は そもそもの内容が深遠すぎる上に、翻訳ゆえの日本語の難しさが滲んでいて、
じっくり読む覚悟が必要です。
挫折してしまう可能性もありなので、もし通読するつもりなら最後に読んだ方がいいかも。

逆に、彼の考えのエッセンスを知りたい、実際の演奏の時の諸問題についての見解を知りたい、
ということなら、この章のみを読むという手もあり。
特に冒頭の6ページのみを読むだけでも、この本を手に取る価値があるかと思います。


第2章は ヴァイオリンやガンバなどの弦楽器、バロックオーケストラについてなど。

第3章は イタリア様式とフランス様式などについて、バロック後期の作曲家たち、
モーツァルトなどの作品解説。




この翻訳の底本の出版は、1984年とのことで、約30年前。

第1章で、記譜法、アーティキュレーション、古楽器の是非、音律とピッチ、会場の音響、
そして「演奏と解釈において最も大切なことは何か」について書かれています。
(ネタバレと炎上を回避するために詳細は記載しません)


それらは、30年前には、斬新で奇異な試みであり、
常にクラシック音楽の慣習との戦いであったことがうかがえます。

しかし30年たった今、彼の挑戦は 確実に実を結んでいると言えるでしょう。
何の違和感なく、全く同意であり、もはや当たり前の事のように思えました。

特にファンでもアンチでもなく、CDを一枚も持っていない私でさえ、
知らず知らずのうちに影響され、彼に続く人々から教育されていることに気がつきます。

それでも、彼が「フランス革命以前には 文化の中心だった音楽を 再び回復させる」という時、
それは当然、ヨーロッパ文化圏内を前提としているわけで、
非ヨーロッパ文化圏の私たちは、一体どうすれば・・・とオロオロし、
その道のりの遠さとハードルの高さを前に 途方に暮れてしまいます。


また30年前と言ったら、SONYのWalkmanが発売された頃で、
その後の録音技術とインターネットの発達には めざましいものがあります。

この環境の変化が、音楽のあり方にどう影響しているのか、
影響しているなら、そのベクトルはどちらに向いているのか。
言語としての音楽を得るために、それらは少しは助けになるのだろうか・・・。


そんなことを考えながら、クリスマスを過ごしております。

興味がある方、この冬休みの間に読んでみてはいかがでしょうか。

◎音楽之友社のサイト



◎Amazonのサイト
古楽とは何か―言語としての音楽

古楽とは何か―言語としての音楽

  • 作者: ニコラウス アーノンクール
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 1997/06/01
  • メディア: 単行本






音楽は対話である モンテヴェルディ・バッハ・モーツァルトを巡る考察

音楽は対話である モンテヴェルディ・バッハ・モーツァルトを巡る考察

  • 作者: ニコラウス・アーノンクール
  • 出版社/メーカー: アカデミア・ミュージック
  • 発売日: 2006/11/15
  • メディア: 単行本






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完売しました!リュート卓上カレンダー2016 [愛しのリュート達]


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「リュート卓上カレンダー 2016」は、完売いたしました!

購入して下さった方、広報にご協力下さった方、どうもありがとうございました。


カレンダーという賞味期限(?)がある品物ゆえ、
売れ残ったらどうしよう・・・という不安もありましたが、
これで、平安な気持ちで クリスマスと新年を迎えることができそうです。


これをきっかけに、知らない方とも(ネット上ではありますが)お知り合いになれましたし、
しばらく音信不通になっていた知人とも 久しぶりにメールを交わしたり・・・、
そんなことがとても嬉しく感じられました。

もう20年近くも活動を応援して下さっている方々は、
いつものように相変わらず、ご親切にして下さって、それも心に沁みました。

ともかく、皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとう!!!



 〜 新しいカレンダーとともに迎える新年が、佳き年となりますように。〜



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カレンダーのカバーガール [愛しのリュート達]

「リュート卓上カレンダー2016」も、順調に全国各地へと配達されてゆき、
残り若干数となりました。

これから月が変わるごとに、カレンダーの絵を一枚づつ、
ご紹介していこうと思います。

1月の絵は 1月初めに・・・と考えると、
表紙は 12月初めに、ではありませんか!(慌)

数日出遅れましたが、気を取り直して、さっそく観ていきましょう・・・。

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私が 表紙に選んだ一枚は、
Bartolomeo Veneto(active 1502-1531)のWoman playing a lute 
バルトロメオ・ヴェネト作の「リュートを弾く女」です。

生没年などについては諸説ありますが、
生年不明、活動期は1502年〜から没年1531年まで、としておきます。
イタリアのヴェネチア、ヴェネト州出身であったことから、バルトロメオ・ヴェネトと呼ばれています。


この絵は、1520年の作で、ミラノのブレラ美術館が所有しているもの。

同じタイトルの、1512年作の絵をアメリカ・ボストンのイザベラ・ステュワート・ガードナー美術館
所有しているらしいのですが、その画像を探すことは出来ませんでした。
機会があったら、二枚を比べてみたいですね。

バルトロメオ・ヴェネトは、フェラーラ、パドヴァ、ミラノと活躍の場を移していきます。
まさにルネサンス音楽が花開いていた時期ですが、
1505年ごろ、フェラーラのエステ家の宮廷画家だったことは気に留めておいてもいいかもしれません。
エステ家のアルフォンソ1世は 器楽曲を好み、その宮廷ではリュートが盛んだったと言われています。


次に リュートに注目してみましょう。

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絵の中にリュートがあると、すぐに弦の数を数えてしまうわけですが、
これは、6コース(5複弦+1本=11本)。
16世紀前期の典型的なルネサンス・リュートです。

右手は 親指が内側に入った、フィゲタを弾くのに理想的な形。
左手は、親指が表に出ており 棹を握りしめているスタイルで、
一見すると悪いフォームのように思えますが、6コースリュートはこれで正しいとされています。

棹が太く、その断面が半月状のゴロンとした形で、このような棹を、
通称「かまぼこ」と呼んでいます。

まあ、こんな細部を見るのは、リュート弾きだけです。
再び、絵の全体を見てみると。

この絵の魅力は何と言っても、
この女性の 首を傾げるポーズ、上目遣いでじーっと見つめる瞳、
その黒目が端に寄って、白目の部分にキラリと光が入っているところでしょう。

では、この作家の他の作品はどんな感じなのでしょう。
こちらのリンクをご覧下さい。

ほとんどすべてが、同じ構図です(笑)。
アトリエの採光の都合なのか、お得意のポーズだったようです。

そんな中で、この「リュートを弾く女」が、この作家の代表作とされているわけですから、
リュートは 小道具として大いに力を発揮していると言えましょう。
(え!その差なの?)

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この絵は ダイアナ・ポールトン女史が校訂したダウランド・リュート全集の
表紙を飾ったことで、広く知られるようになりました。

The Collected Lute Music of John Dowland
transcribed and edited by Diana Poulton  and Basil Lam

Faber Music Limited London

リュートを始めたら、まず買いますよね、この楽譜。
「いつかはダウランドを弾くんだ!」と決意しながら。

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今、手元にあるこの楽譜を開いてみたら、ヤコブ・リンドベルイさんのサインがありました。
1987-8年頃の来日の際に頂いたもの。



考えてみると、6コースリュートが描かれている絵なのに、
何故、8コースリュート中心のダウランド全集の表紙だったのか。

そんなマニアしか気にしない細かいことはいいのよ、
とにかく、この綺麗なお姉さんの目力で誘惑して、
楽譜を手に取らせ、7500円(当時)の出費を決断させるのよ、という
出版社の作戦が 今となってはよくわかります。

もう、リュート卓上カレンダーのカバーガールとしては、
このお姉さんに敵うものはないんじゃないか! 
そう思って、表紙の一枚に選びました(笑)。


リュート卓上カレンダー2016の詳細情報とご注文は
こちらから どうぞ。




☆おまけ☆

男性の肖像画が少しコミカル。
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寄り目がちな視線の先には 一体何が?

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爽やかな青年ですね〜。どこかメルヘンチック。

☆Bartolomeo Venetoについての詳細情報 wikipedia




☆6コース・ルネサンスリュートの音楽を聴きたい方への私のおすすめCDはこちら☆

フランチェスコ・ダ・ミラノ ''Il divino'' ~ 作品集 (Francesco da Milano ''Il divino'' / Paul O'Dette (lute)) [輸入盤]

フランチェスコ・ダ・ミラノ ''Il divino'' ~ 作品集 (Francesco da Milano ''Il divino'' / Paul O'Dette (lute)) [輸入盤]

  • アーティスト: フランチェスコ・ダ・ミラノ,ポール・オデット (リュート)
  • 出版社/メーカー: harmonia mundi France
  • 発売日: 2013/04/30
  • メディア: CD





(名盤。私はこのCDを聴いてリュートを始めました。ジャケット写真がテオルボなのが惜しまれる。)



イタリア・ルネサンスの世俗音楽~私の可愛い娘羊飼い(ジャック・アルカデルト)/他

イタリア・ルネサンスの世俗音楽~私の可愛い娘羊飼い(ジャック・アルカデルト)/他

  • アーティスト: アッツァイオロ,アルカデルト,ヴィラールト,シャーリー・ラムジー
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1995/01/01
  • メディア: CD





(とにかく、かっこいい! 弾き歌いもあり)



ミラノ:リュート作品集 ファンタジアとリチェルカーレ

ミラノ:リュート作品集 ファンタジアとリチェルカーレ

  • アーティスト: ダ・ミラノ,クリストファー・ウィルソン,シャーリー・ラムジー
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1994/04/01
  • メディア: CD

ヴェネツィアのリュート曲集

ヴェネツィアのリュート曲集

  • アーティスト: ダルツァ,スピナッチーノ,ボッシネンシス,カピローラ,シャーリー・ラムジー
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2000/03/01
  • メディア: CD





(安定のクリス。リュート二重奏も)



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ぢっと手を見る [全国リュート行脚計画]


再び、函館でのスナップ写真。

街のあちらこちらに、ブロンズ像がありました。

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元町公園。スカートがふわり。

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赤レンガ倉庫街あたり。本物かと思った!


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五稜郭公園前あたり。

遠くからクマの姿が見えて、

「本を読んでるのかな?」と思って近寄るも、本を持っていない。

「掌にスマホ持っているクマなの?」と思ったけれど、そうでもない。

何しているんだろう???


・・・タイトル:ぢっと手を見る

あっあー。歩道で一人、笑いをこらえるのに必死でした。

背後の鳥がヒントになっているのかー。
函館に縁のある作家ですものね。

答えは こちら。朝日新聞の記事


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