SSブログ

「私の窓から出ていく」のは男か女か [コンサートのお知らせ]


私がリュートを弾き始めた頃、一番最初に練習したのは、
作者不詳の「Go from my window」でした。

このバラッドの旋律に基づく作品はダウランドをはじめいろいろな作曲家が残していますが、
今回のコンサートでは、ロビンソンによる同曲を演奏します。


IMG_4713.JPG


さて、この作品の邦題ですが、私は今まで「窓から帰って、愛しい人」と訳してきましたが、
最近「わが窓より去れ」「わが窓より立ち去れ」と(男性による)命令調のものを見かけました。

私は、女性が部屋にいて、しばしの逢瀬の後、男性を二階の部屋の窓から逃がしている、
という状況を思い描いていました。
「ロミオとジュリエット」のバルコニーのシーンのイメージです。

たとえ部屋が1階にあったとしても、窓から女性を出て行けという男性がいたとしたら、
ちょっとひどい。。。と思いますが、まあ歌詞を見てみますか。


                ***


この元歌となっているバラッドの歌詞は、多くの変形が残されていますが、
最もシンプルな形と思われるものをあげてみましょう。


Go from my window, love, go;
Go from my window, my dear;
The wind  and the rain,
Will drive you back again:
You cannot be lodged here.


私の窓から出て行って、恋人よ、さあ。
私の窓から出て行って、私の愛しい人。
風と雨とが
あなたをまた戻らせるでしょう。
あなたはここに泊まることはできないの。


Go from my window, love, go;
Go from my window, my dear;
The wind is in the west
And the cuckoo's in the nest
You cannot be lodged here.

私の窓から・・(同上)
風は西から吹き、
カッコーは巣の中に。
あなたはここに泊まることはできないの。



Go from my window, love, go;
Go from my window, my dear;
The devil's in the man
And he cannot understand
That he cannot be lodged here.

私の窓から・・・(同上)
男性の中には悪魔がいて、
理解することができないの、
ここに泊まることができないということを。


From: Songs from Shakespeare's Plays,Kines
survived in oral tradithion since Shakespeare's time.



最後の部分を読むと、泊まりたいと駄々をこねているのは男性であるので、
「私の窓から出て行って」と言っているのは女性でしょう。



著作権の問題があるので、画像は貼りませんが、
ロミオとジュリエットのバルコニーシーンを描いた絵、舞台写真はこちらをどうぞ。
バルコニーや窓辺から、落ちそうになっている男性が出てきて、笑ってしまいました。


nice!(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。