声で味わう文学作品「たずねびと」 [お気に入り]
この時期になると、テレビ番組やニュースでも戦争関係の情報が多くなります。
前線で戦っていた方々ではなく、一般市民の生活はどうだったのでしょうか。
戦後70年となった今、生の声でそれを語れる人も少なくなりつつあります。
毎年、私はこの時期になると、
太宰治の「たずねびと」を 音声ファイルで聴きます。
この作品は、当時、東京・山梨で罹災し、
故郷の青森へと疎開する道中での出来事を描いたものです。
太宰治「たずねびと」 (無料音声ファイルです。音がでますので、ご注意下さい)
(wisさんのサイト 【朗読】声を便りに、声を頼りにーー。より)
こんな状況の中で、そんなこと言っている場合じゃないでしょ!と思うわけですが、
それこそが 太宰さんの矜持でもあるわけで。
この作品を聴くたび、私は
幼かった娘を戦後の食糧難で亡くした祖母のことを 思い出します。
戦時中に限らず「与える側と与えられる側」という、
普遍的なテーマの一つを 取り扱った作品とも言えるでしょう。
朗読しているwisさんの声が 心地よいです。
お時間のある時に、どうぞ。