SSブログ

カッチーニの妻 [お気に入り]

DSC_0602.JPG

古楽が好きな私たちには馴染み深いカッチー二ですが、
その奥さんってどんな人?

そんな資料は音楽関係からはなかなか出てきませんね。

カッチーニの妻に焦点を当てた作品が納められているのが、
上記の『愛の年代記』(塩野七生・著/新潮文庫)。

中世末期からルネサンス時代、イタリア宮廷での9つの愛の物語。
amazonでは「フィクション」とされているけれども、
歴史的資料をもとにしたものであるから、すべて嘘物語でもないでしょう。

細やかな描写は、まるで見て来たかのようで、
実に読みやすく、わかりやすい。
政略結婚の裏側にある純愛の物語にワクワクする。
ルネサンスの宮廷の雰囲気も味わい深い。

肝心のカッチーニの妻を主人公にしたエピソードは、
二番目の「ジュリア・デリ・アルビツィの話」。

「・・・メディチから与えられた持参金を持って・・・
メディチ家の音楽師カッチーニの許へ嫁いだのである。

夫となった男は、音楽の才能はあったらしい。
性格的にはどんな男だったのかは知られていない。
・・結婚生活は地味なものだった。・・・」



持参金と引き換えとはいえ、ジュリアの前歴はなかなか。
それがどんなものか興味のある方は、本をご覧下さい。

他に、天正遣欧少年使節団のために舞踏会を開いたといわれる、
大公妃ビアンカ・カペッロの回想録などが
個人的には資料として保存版。

官能的シーンと残虐シーン多いので、R18、閲覧注意です。

愛の年代記 (新潮文庫)

愛の年代記 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1978/03/29
  • メディア: 文庫


nice!(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。